2012/5/26 お誂えのテーブルマット

この春結婚されるお友達にとお客様が当工房のテーブルマットにお誂えの蒔絵を施しプレゼントされました。プレゼントを受取られるお友達がキャビンアテンダントということで飛行機を必ず入れてほしいというのが唯一のリクエストでした。蒔絵師と相談して蒔絵のプランを二つお見せして選んでいただいたのが下の写真のものです。あまりリアリティーを出さずかわいく飛行機を描いている部分が私としては良かったなと思っています。それも蒔絵師を女性にしたおかげかもしれません。お客様もプレゼントを受取られたお友達も大変喜んでいただき嬉しく思っております。石川漆工房ではこのような個人のお客様のお誂えを様々な形で受けております。特に今後はこのお誂えの対応を強化していきたいと思っております。名入れだけ、家紋入れだけでもお誂えですし、デザインから材料選びまで細部にわたるまでご相談しながら進めるものもお誂えです。どんなご要望でも気軽にご相談ください。



2012/5/26 早稲田カラーのボールペン

 先日、東京で仕事をしていた際に大変お世話になった方からfacebookで連絡がありました。お持ちになっておられる万年筆、ボールペンに漆塗ってほしい。それも出身校である早稲田のカラー「エンジ色」に。まずはものを見せていただきねじ山部分を塗り直す事は困難なことなど相談を重ねて木製のボールペンのみ塗らせていただくことになりました。
 今回は装飾も何もなくただ早稲田カラーに塗るだけ。ですが「ただ塗る」だけということは色が命になります。この色のイメージの共有を怠ると出来上がった時に「もうちょっとこうなってほしかった。」となる場合もございます。そこが今回の仕事の肝と思い、お客様からイメージされる色見本をもらい、漆屋さんに見せ、漆を調色してもらい、塗師にも色見本を見せ艶のイメージを共有して塗りあげました。
 完成して塗師からボールペンを見せてもらう瞬間はあれだけ話をしていても緊張するもので、本当にイメージ通りのものが上がってきているか心臓が少し高なりました。結果は写真を見てもらえばわかるように大成功。私がイメージする早稲田カラーに上っていて一安心です。お客様に納品した後、すぐに連絡をいただき大変満足して頂けたようで本当に良かったです。
 昨今漆の調製、調色技術も進歩し今まで漆でイメージできなかった色も漆屋さんに調色してもらえるようになりました。まだまだ漆は発展する余地のある塗料です。この記事をご覧いただき何か今までにない漆の色で塗ってみたいと思われた方は是非ご一報くだだい。